水田輪作畑作物の高品質安定生産技術の現状と展望

摘要

昨年まで大豆300A研究センターのセンター長として大豆に関わっていましたので，大豆を中心にお話ししますが，私は水田輪作の中で一番問題が大きいのは大豆だと考えています。 大豆という作物は，種を播いた後の湿害に非常に弱く，湿害を被った大豆を後でいくら一生懸命管理しても駄目だというところから，300A研究センターでは大豆をしっかり発芽させる技術を作ることを最大の目標にして仕事を進めてきました。 4年間の活動を通じて，土壌の粘土鉱物のタイプを考え，それに応じた耕恵方法をとることによって，かなり安定的な生産ができることが分かってきました。 日本の土壌にはいろいろな区分法がありますが，粘土鉱物に着目すると大ざっぱに3つに分けられますので，最初に土壌の特性に応じた播種管理技術の話からはじめます。