和歌山県におけるカンキツ灰色かび病の発生と防除及びパスワード顆粒水和剤の効果

摘要

和歌山県のカンキツ栽培面積は11，300haで、そのうち約8，000haをウンシュウミカンが占めている。 カンキツに発生する灰色かび病の被害には、開花期にまず花弁に発病し、花弁から幼果に感染することにより形成される果実の傷と、収穫後の貯蔵中に発生する果実腐敗の2種類がある。 このうち、後者は、県内では一部の長期貯蔵地域以外では発生がほとんどないため、あまり問題とならず、これのみを対象とした防除は行われていない。 これに対して開花期の灰色かび痛の防除はウンシュウミカンを中心に、基幹防除として行われている場合が多い。ここでは、本県における開花期灰色かび病の近年の発生状況と防除対策について述べる。