和歌山県みなべ町におけるウメ産業の産地変容とそのメカニズム一生産農家の経営変化分析からの接近－

摘要

近年，グローバリゼーションに対抗する形で，地域産業の見直し，地産地消の推進などのローカリゼーションが注目されている．橋本大西はか［1］では，農業を基盤に，地域内における多段階の産業主体（生産者，加工業者，販売業者，観光業者）が有機的に連携結合複合化している状態を「地域産業複合体」と捉え，これが地域資源の活用，地域における付加価値の増加，就業と所得確保の場の拡大等の経済効果を生み出し，危機的状況にあるわが国の農業を守る砦拠点として重要な意味を持つとされている．