農業経済研究と研究者への期待

摘要

研究の第一線を退いている私が，基調講演の役割を仰せつかったということは大変光栄です．小池座長がこのシンポジウムの意義について御所見を述べられまして，なるほどそうか，とも思いました．けれども，私には基本的な疑問があります．農業経済研究者の社会的貢献という問題は，研究者がどのような問題意識や身構え方で研究をするかという問題であり，言い換えれば研究者一人一人の心の問題であって，あまり学会のシンポジウムでとりあげるような課題ではないのではないでしょうか．さらに，私は企画の当初から検討委員会に参加しているわけではないので，私には基調講演をする資格はありません．そこで，私のささやかな体験談を参考報告として行わせていただく，ということでお許しをいただきたいと思います．特に，研究者の評価問題が，なぜ学会で議論されないといけないのか，わかりません．このことについては，各大学での大学運営における農業経済研究者の政治力によって，相当の問題が解決すると思っています，そういった政治力も大いに高めていただきたいと思います．