米政策改革大綱の理念と現実性

摘要

政策評価の基準として、筆者はまず、政策が対象とする現実に対する実態認識を重視したい。 その上で、かかる実態＝問題を克服すべき方向についての理念が、より上位の政策体系との整合性の下でいかに明確化されているかが重要である。 そして、政策が理念に止まらず、実施可能であるためには、一方では従前の政策との連続性が、他方で現実変革的であるためには断絶性が求められ、いずれの場合にも予算的な裏付けが不可欠であろう。 本稿では、こうした視点に基づいて、米政策改革大綱について論評することにしたい。