コマツナ栽培におけるトリコット編みネット資材の利用

摘要

近年、施設栽培のほか、露地栽培の葉根菜類の育苗や本園での栽培を中心に防虫ネットが広く利用されるようになった。特に、チヨゥ目害虫の被害対策として古くから寒冷紗の利用が行われてきたが、1970年代にはポリエステル繊維による製品が開発されたことなどから目ずれの問題が解決され、目合いはより細かく、光透過性も向上するなど実用性はさらに高まつている。神奈川県でも、ホウレンソゥやコマツナの産地では平織り防虫ネットが用いられ、省力化や品質向上に貢献しており、慣行技術となっている。一方、保温を目的に究展してきた不織布繊維製のベたがけ資材は簡易な防虫ネットとしても広く利用されている。ポリエステル繊維製品が比較的高価で、長期の耐久性を有しているのに対し、不織布繊維製品は比較的安価で、支柱等も必要としないため、導入しやすい利点を持つ。しかし、近年、新たに問題化しているァザミゥマ類、アブラムシ類、コナジラミ類など微小昆虫による被害に対しては、繊維の隙間が一定しない不織布繊維製品では十分な防虫効果は求め