農家のための鳥獣害総合対策國鳥獣害対策におけるヒューマンエラー(2)

摘要

前回、被害対策のヒュマンェラーについて述べ、最後に「人間本意の対策ではなく、動物の素顔を知り、動物の目線に立った対策が効果をもたらすのである」と述ベた。しかし、現場を歩くと人間目線の対策がまだまだ目につく。初めて野生動物が田畑に侵入するとき、道路側や河川側からではなく、まず間違いなく山側からやつてくる。*なぜだろうか。私たちは何となくその行動を理解し、野生動物は山に棲む生き物だから山側から侵入するのは当たり前だと考えてしまう。もう少し、野生動物の心理を考えてみょう。野生動物の判断基準は意外と単純である。「簡単と安全」、これがキーヮードとなる。山際にいる野生動物は田畑までの移動距離を考えても、道路側から入るより山側から侵入する方が簡単である。