チューリップ王国を支えるオリジナル品種育成や病害対策に取り組む

摘要

花き課では、チューリップの重大なウィルス病害として、モザイク病、微斑モザイク病、条斑病を中心に総合防除技術の確立に取り組んでいる。チューリップ産地として百年近い歴史を持つ富山県だが、近年は球根生産の現場で、特にモザイク病の発生が増加傾向にあり、原因の究明と対策が急務となつているモザイク病は、花弁や葉にモザ，イクや色抜けが生じ、球根肥大にも悪影響を及ぼす。一方、微斑モザイク病ゃ条斑病など土壌伝染性病害も増えてきている。原因の究明として.県内生産者の圃場で採取した病害株から病原ウィルスを特定、また土壌診断により土壌中のゥィルスの量を測定する手法を開発するなど多角的にァプローチを試みている。対策としては、いかに病気を出さない方法を構築できるかが課題であり、これまでに約550品種について病害抵抗性を評価している他、病害発生を抑制する方法としてマメ科の緑肥植物のクロタラリアとの輪作、効果的な施肥管理などの栽培技術を検討している。