施設園芸の経営管理指標--策定方法の試論--

摘要

売価は、年次間で、また同じ年でも品質や出荷期、市場の選択の仕方によって変動する。それで売上高は売上量を一定と仮定し、もっとも出現頻度の高い価格より求めたものを最頻値（里、予想される最高価格にょるものを楽観値（A）、最低価格にょるものを悲観値（C）、の三段階で設定する。 （B）には実績を当てはめ、（A）は（里の一〇％増、（C）は（里の一〇％減と仮定する。投入する費用は物財費と資本利子、地代とするが、この種の計算技法上、設備資本（K）に関わる償却費（D）と利子(I）を除いて計上する。 物財費は流動財費と維持修繕費とし、流動資本財資本利子は、流動財費の原資は年二回転するものと仮定し、これに利子率四％を乗じて求め、地代は自作地の地代であるので、土地の評価額を一〇a当り二〇〇〇千円とし、これに計算利子率三％を乗じて求めた。 費用としなかったDとIは、必要資本回収額（U＝D+I）に相当しており、後で扱う資本回収見込額（U）の構成要素であることによる。