低シュウ酸品種ならびに萎ちょう病抵抗性品種開発の現状と課題

摘要

ホウレンソウは緑黄色野菜の王様といわれるほど栄養価が高く、ビタミンAやB1、B2、Cが豊富で、鉄分やマグネシウムなどのミネラルにも富んでいる。 しかし反面、ホウレンソウにはシュウ酸が多いことも特徴的である。シュウ酸は食味を低下させる「えぐみ」の原因物質であり、過剰に摂取すると腎臓結石になりやすく、カルシウムの吸収も阻害するといわれている。生で毎日大量に食べない限り、すぐに結石などと結びつけて心配することもないが、品質に対する消費者の開心は非常に高いため、シュウ酸含量の少ないホウレンソウを生産することは重要な課題となっている。