試験体によるモードiおよびモードII破壊靭性値の 連続測定（第1報）試験順序が破壊靭性値におよぼす影響

摘要

モードIおよびモードnの2つの破壊靭性値を測定するため，単一試験体を用いた連続測定試 験の可能性を検討した。同一形状の試験体で試験できることからG_(Ic)測定にはDCB試験を，G_(IIc) 測定には3ENF試験を採用し，き裂長さおよび試験の実施順序が破壊靭性値におよぼす影響に ついて調べた。き裂長さが100mmのときDCB試験および3ENF試験の双方で比較的安定した 破壊靭性値が得られた。モードIではせん断変形の影響を補正き裂長さに含めることで，破壊靭 性値からせん断の影響を除くことができるが，モードIIではせん断変形を考慮したコンプライアンスの式から補正き裂長さおよび破壊靭性値を算出する必要があった。単一試験体により破壊靭 性値の連続測定で，後続の試験の場合に得られる破壊靭性値は先行の場合で得られる値より小さくなる傾向にあった。