クロミックイオン液体

摘要

イオン液体とは，100 °c以下で液体状態を示す溶融塩の総称であり，高イオン濃度や特異な溶解性に起因して，ナノエレクトロニクスからバイォサイエンスまで広範な研究分野における重要性が認識されつつある.本稿では，イオン 液体への機能性付加の手法や農学分野への貢献について紹介した後に，液体環境センサーへの応用が期待される多彩なク口ミツク現象（サ一モク口ミズム，フォトクロミズム，エレクトロクロミズム，べィポク口ミズム，pHク口ミズム）の 報告例を概説する.多くの場合，金属錯イオンのスピン状態変化（原子価互変異性，スピンクロスオーバー）や配位数変 化がクロミック挙動を誘起している.