宮城県気仙沼市の復興と大学ネットワーク

摘要

東日本大震災から10ヶ月を経過した（2012年1月15 日現在)。筆者は農村計画学会誌30巻2号に2011年8 月現在の気仙沼市の状況を報告したが"，本稿ではそれ 以降の気仙沼市の状況と復興について紹介したい。気仙沼市役所の発表によると，2012年1月12日現在 の気仙沼市の被災状況は，死亡者数1,030人，行方不明 者数338人,住宅被災棟数15,369棟，被災世帯数9,500 世帯である。なお，住宅被災楝数は2011年12月28日 時点の情報で，被災世帯数は2011年4月27日現在の 推計であるので，後者は30卷2号で報告したものから 変更されていない。2011年の夏から死亡者数は30名増 加し，行方不明者は約80名減少し，住宅被災棟数は約 2,400棟増加している。これらは夏以降，捜索活動や被 災状況調査が進んだためである。しかし，依然として 300人を超える行方不明者が存在しており，2012年に入 つてからも海岸部を中心に行方不明者の一斉捜索が実施 されている。