育種、改良と新技術開発の取り組み －独立行政法人家畜改良センター岩手牧場－

摘要

全国の家畜改良センターは平成13年に独立行政法人となり，様々な方向に業務が広がっている。各牧場では家畜ごとに育種、改良の研究が進められ，生産性の向上に努めている。 今回は，ホルスタイン種を主とした乳牛の育種、改良を基幹業務としている岩手県家畜改良センター岩手牧場の取材を行った。平成13年に独立行政法人となった家畜改良センターは，福島県の家畜改良センター本所をはじめ全国12カ所の牧場からなっている。今回は，岩手県家畜改良センター岩手牧場について取材を行った。青々とした牧草地と国道沿いの松林に囲まれた岩手牧場は，明治29年（1896年）に設立された。 現在は盛岡駅市街地から車で20～30分，周囲に市街地が近接する都市共存型の牧場である。場内では82名が働いている。 650ヘクタールの敷地内には，750頭の牛が飼養されており，うち成牛は350頭（搾乳牛200頭，レシピエント専用牛150頭）。 牧草はマメ科植物が主体となっており，牛には濃厚飼料やコーンなどを混ぜて給与している（TMR方式）。 飼料配合は泌乳量によって替えているため，牛の観察は欠かせない重安な仕事のうちのひとつである。