野菜生産地の土壌診断インドネシアの野菜ほ場

摘要

この連載ではこれまでに日本国内の野菜生産地の土壌を紹介してきたが、最終回としてインドネシアを取り上げることにした。 インドネシアジャワ島の西ジャワに位置するチバナスは首都ジャカルタの東南約一〇〇hで、高速道路を利用すれば約三時間の距離にある。 標高約二、〇〇〇mの高原地帯で、年平均気温は約二〇℃、年間降水量は約一、五〇〇mと、野菜の生産には恵まれている。 この地域で生産される野菜はキャベツ、ニンジン、プロッコリトダイコンなど他品目で、ほとんどすべてが大消費地ジャカルタに送られる。 それら野菜の種子の多くは日本の種苗会社から輸入したもので、現地の農家では「ニンジン」「ダイコン」などと呼んでいる。 チバナス地域では一九七〇年代から野菜の生産が増加し、今日ではインドネシア国内における主要野菜産地の一つとなっているが、最近ではキャベツに根こぶ病が多発している。 そこで、筆者らは平成八年九月に現地を訪れ、土壌診断調査を行った。