農村計画研究における『範域』の捉え方

摘要

本稿は，農村討画に関わる複数の分野で，これまで農村封画の『範域』がいかに扱われてきたかに注目し，既往の知見の共有も目的の一つとして，分担執筆によりレビューしたものである。 本稿でいう『範域』とは，プランニングの対象となる空間，またはプランの単位である。 その空間，単位は，物理的，自然的要因により限定されることもあり，また歴史的，社会的要因により単位が設定されることもある。 また農村封画学あるいは農村計画に関わる各分野においても共通の空間単位が共通の定義で使用されてきたわけではなく，様々な研究の場で「範城」，「圏域」，「範囲」，「空間単位」などの表記の下，各自の意味をもって使われてきた。 そこで，農村計画学会若手ネットの座談会（2004年12月実施）において，参加者の研究関連分野や既存の研究から『範城』，「圏域」，「範囲」，「空間単位」等に関するものを列挙し，執筆者の研究分野の境界に拘らずに設定した。