中山間地域における農地の地域的管理ー竹田市九重野地区における事例ー

摘要

農業の多面的機能の発揮及び農業の持続的発展が食料，農業，農村基本法の理念に掲げられ，農地保全の必要性が再認識されてきている。 農地は，経済活動を目的とした利用，管享乱　すなわち，利用主体に所得がもたらされ，農地利用が継続されることにより保全される，持続的な農地利用及び農村における経済活動のためには，生産，生活の両側面において物理的基盤が用意されていること，また，物理的基盤の維持，管理のために個々の人間活動を組織化する社会的規範や組織化された集団が存在していることが必要である，本研究では，後者の慣習や集落組織を社会的基盤とし，物理的基盤と合わせて「農業，農村基盤」と呼ぶことにする。