東日本大震災に伴う東京電力福島第一原究事故による周辺農村に対する環境汚染と社会への影響一福島県飯舘村の現状一

摘要

東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発の事故は，北西約28-45kmの福島県飯舘村に放射能汚染をもたら した。筆者らは，原発公害に見舞われた飯舘村を支援す ベく 3月16日に「飯舘村後方支援チーム」（代表）糸長 浩司）を立ち上げ，村や村民に対する支援を実施してき た。本稿ではこうした活動を通じて得られた，初期段階 での問題や課題，村の対応等を整理しておく。3月11日の東北地方太平洋沖地震の飯舘村での震度 は，ほぼ全域で6弱と推定されている。翌朝の福島県発 表の被害状況速報"では，同村に死者，行方不明者，重 傷者，軽傷者等の人的被害はなく，全壊，半壊，一部損 壊等の住戸被害も記録されていない。避難所1箇所が開 設されたが，余震を恐れた4名が自主避難したに留まる。 後日の村の情報では，道路数力所が寸断されたが，孤立 集落も皆無。端的にいえば，飯舘村に震災被害はなかつ た。