幸福，価値の変換，農村計画の新たな可能性

摘要

この秋，9月13日から1週間の短い期間ではあったが，農村計画学会の活動の一環として，生源寺眞一会長を団長とする西欧農村整備現地研究会を事業企画委員長と、して企画し，会員諸氏とともに，イタリアのトスカーナの農村をめぐった。トスカーナの美しい農村景観を車窓に眺めながら，イタリア人と日本人の気質の違いなど，様々なことを考えた。そのなかでこれまで日本の農村をめぐりながらおぼろげに考えていた日本の農村のありかたについて，たたずまいをまったく異にするイタリアという参照軸を得て，もう少し具体的にその未来を考え得る素材を得た気がした。本稿ではこの素材をもとに若干の試論を述べてみたい。