都市近郊における住民の景観保全意識と属性および里山保全活動の関係

摘要

都市近郊の里山は，高度経済成長期以降，開発適地として開発がすすんできた。 特に，高度経済成長期における丘陵地のスプロール状の開発は，各地に景観をめぐる論争を引き起こすきっかけとなった。 このような背景のもと，都市近郊の里山は，その緑地的価値が見直され，環境保全上の機能が再評価されるようになってきた。各地方自治体も，昭和50年代後半から，景観条例を制定し，緑地景観保全にカを注ぐようになってきた。 しかし，一方で行政主導の景観政策にも限界があり，地域の実情に応じた景観保全事業の実現には，行政と地域住民のパートナーシップが不可欠であると認識されるようになってきた。