卜レーニング-センターにおける 馬鼻肺炎ヮクチン接種体制変更前後の流行状況調査

摘要

トレセンでは、毎年冬-春に馬鼻肺炎ウィルス(ERV)を原因とする発熱が流行している。本病は、 特にクラッシックレースを目指す3歲馬にとって脅 威となる。JRAでは、本疾患を予防するために1996 年より不活化ワクチン接種を導入している。その接 種体制は、2008-09年以前については、トレセンに 入厩する若齢馬（10-12月の2歲馬および翌年1-3月の 3歲馬）のうち、入厩検疫時のELISA抗体価が低い馬 のみを抽出し、接種していた。しかし、この方法で は、放牧へ出ずにトレセン内に在厩していた馬や入 厩検疫時においてELISA抗体価が高い馬は、接種対 象から除外されていた。そこで2009-10年以降、よ り効果的な接種体制の確立を目的に、接種対象を流 行期にトレセンに在厩している若齢馬全頭ならびに この期間中に入厩する若齢馬に拡大し、各馬に3回 を上限に接種してきた。本調査では、接種体 制を変更し、4シーズンが経過した現時点でのヮク チン接種状況とERV流行状況について調べた。