前後肢球節障害に起因する跛行の存在するサラブレッド種競走馬の 起立時の前後肢球節の低磁場MRI所見:131頭の後向き研究

摘要

サラブレツド種競走馬の跛行に関す る疫学的研究から，前後肢の球節に関 係する疼痛が走行訓練日の変更の重要 な原因であることと，球節に関係する 骨の損傷が競馬場で認められるサラブ レツド種競走馬の遠位肢完全骨折の最 も一般的な原因であることが明らかに されている。英国では，第三中手昝/第三中足骨の外側顆状突起骨折，繋骨 骨折，第一指（趾）節種子骨の両軸性 骨折は，それぞれ，障害競走，芝馬場 の平地競走，全天候馬場の平地競走 で，最も発症頻度が高い。これらの損 傷に関する研究は大規模に進められており，前後肢球節のX線検査とシンチグラフィー検査により，これらの部位 の診断と疼痛管理が実施されているが， 病理形態のタイプと範囲に関する確定 診断は確立されていないことが多い。