栃木県内飼養豚におけるLawsonia intracellularisの血清疫学調査

摘要

豚増殖性腸炎（Porcine Proliferative Enteropathy：PPE）は，Lawsonia intracellularis （Li）の感染に起因し，下痢を主徴とする疾病である。本病は，離乳豚から繁殖豚まですべての日齢で感染し，病型として離乳後から肥育前期の豚に慢性の下痢および発育不良を起こす慢性型と肥育後期以降に出血性下痢および突然死を引き起こす急性型の2つに区分されている。 また病理細織学的には，腸上皮細胞の増殖と未成熟化を特徴とし，豚の日齢およびLiの感染形態により様々な病変を示すことから，豚腸腺腫症コンプレックスとして，豚腸腺腫症，壊死性腸炎，豚の回腸筋肥大および増殖性出血性腸炎の4つに分けられている。