日本農業の今後の展望⑦

摘要

土地利用型農業経営の発展 - 第7章では集約的な施設型農業経営について将来の発展方向を考察しました。 本章では粗放的な土地利用型水田農業経営の発展方向について考察します。 わが国の水田農業経営は、「零細分散錯国利」という概念によって象徴されるように、軟米の先進農業国の土地利用型農業経営に比べて、大区画水田を団地として大面積集積することは技術的にも制度的にも困難でした。 圃場用大型機械を効率的に駆使して、大規模生産の有利性を発揮することができないので、生産物の生産費に関する国際競争力が極度に低い状態にあります。 なお麦.大豆.飼料作物については、排水条件がよくない水田では品質価値に関する国際競争力が非常に低い状態に置かれています。