携帯型超音波画像診断装置を用いた 牛の潜在精巣の探索

摘要

牛の潜在精巣の摘出は，立位賺部切開によるものや腹膜ヒダアプローチ法などが報告されているが，術前に潜在部位の特定は行われていない。今回，潜在精巣と診断された黒毛和種牛12頭に対し， 術前に超音波画像検査を実施した。牛を立位に保定して，経直腸超音波検査で腎後方および膀胱付近 を探索し.精巣が描出された場合は開腹して摘出した。描出されなかつた場合は仰臥位に保定して， 体表から鼠径部を探索し，描出された場合には描出部位の真上を切開して精巣を摘出した。術前に超 音波検査を行つて潜在精巣の部位を確認することにより.手術時間の短縮および患畜への負担の軽減 が可能であり，畜主へのィンフォームドコンセントを行う上においても有効であった。