獣医分野におけるデータの解析方法(5)

摘要

統計解析を行う上で，対象とするデータが正規分 布するか否かは非常に重要なチヱック項目である。 正規分布とは，変数の分布が平均を中心に左右対称 で，両端に向かって釣り鐘型に広がる分布である (図1)。正規分布は，母集団の平均〃とデータのばらつき度を表す標準偏差びという2つの数値によつ て作成され，平均を中心に標準偏差-びから+びの 間に全体の68.26%のデータが含まれ（図1斜線内）， 平均を中心に標準偏差一1.96 aから+1.96 aの間に全 体の95%のデータが含まれる。ヒトゃ動物の体重や 体高，血液の各種成分など多くのデータが正規分布 すると言われ，正規分布を利用して，いろいろな推 定ゃ検定を容易に行うことが可能となる（前著，推 定および検定の項目参照6))。