獣医分野におけるデータの解析方法⑩

摘要

前回（「家畜診療」59巻1号）に引き続き質的デ 一夕の解析法について述べる。得られたデータが質的データである場合，どのよ うな解析法を選択すればよいかを，図1のフローチ ヤート（本誌58巻10号586ページにも掲載）に示し た。そのフローチャートにした力sい，前回までは， 「データが1種類の場合」の解析法について説明して きた。今回からは「2 x 2表で表される場合」につい て述べる。質的データのフローチヤ一トで「データは1種類か？」の質問で「No」となり，「2x2表でよいか？」 で「Yes」に進む場合について考える。これは，ある集団を構成する個体を，2つの項目 において，陽性か陰性か？生存か死亡か？ォスかメ スか？などのように質的に分類し，それをカテゴリ —ごとに分割整理した表で表して分析する場合を指 す。この集計表は「2 x 2分割表」と呼ばれ，疫学分野でよく用いられる。例えば，要因Aにおいて陽性 と陰性の属性のデータが得られ，要因Bにおいて YesとNoのデータが得られた場合には，表1のよう な形でa， b， c， dのそれぞれに対応する個体数が記 入される。また，2x2分割表の解析法は，2つの項目に 「対応がない場合」と「対応がある場合」で異なるた め，次にこれについて判定を行う。