乳牛の運動器病の研究（第1報）－飛節疾患に関する実態調査－

摘要

さまざまな形態で酪農家に飼養されている乳牛734頭の飛節疾患年の発生率を，牛舎環境および飼養形態との関連から比較検討した。 その結果，734頭中154頭，21％の年に飛節疾患が認められた。 牛舎環境では，年床が乾燥し，牛体の汚れが少ない牛舎ほど飛節疾患の発生率は低かった。 年床の種類では，オガクズを敷いた年床の年が，コンクリートやマット年床の年に比べ，飛節疾患の発生率は低い傾向にあった。 また，糞尿処理方法では，ロストル方式，バーンクリーナー方式，さらい牛舎の順に発生率は高かった。 管割犬況では，各農家の飼養頭数や平均搾乳量と本症発生率に有意な差はみられなかった。 乾乳期間中放牧を行っている酪農家での発生率が低かった。 一九削蹄回数に関しては，年1回の年が年1．5回あるいは年2回削蹄年よりも発生率は有意に低かった。 以上のことから，運動器病の予防には年床を乾燥させ，年体を常に清潔にし，飛節への打撲、感染機会を減少させることが重要であると思われた。