果樹の基礎生理学

摘要

果実日肥大のようすを、24時間継続して精密に計測してみますと次のような肥大特性のあることが明らかになりました。 発育過程にある果実は、日の出後1時間して果径が収縮し始めます云その後日中後半（12時ころから15時頃）から再び肥大過程に移行し、20時頃まで盛んに肥大します云その後、翌朝の日の出時刻までは肥大が緩慢となりますが単調な肥大を続けます（図1）。 早朝に見られる収縮現象は晴天の日には著しいのですが、曇天の日にはほとんど認められなくなりますムつまり見かけの肥大はその日の天候によって大きく異なります。 そうして、幼黒から成熟期に至るまでの果実の肥大特性を通して見たとき、1日当たりの最も盛んな肥大は7月から8月にかけての果実において観察されます（図2）。