カンキツ新品種‘あまか’

摘要

単－の種類で年内に成熟し，119万2千t（1998）もの生産があるウンシュウミカンに比べると，年明け以降に成熟するわが国の中晩生カンキツ（中晩柑）は，その種類も多様で30種類近くの生産が上げられている（日園連1999）。 そのうち主要屯中晩相としては，イヨ（21万1千2百t），ナツダイダイ（10万2千6百t），ハッサク（6万7千8百t），ネーブルオレンジ（2万6百t）の4種類があら，その他にも多数の中晩柑が雑柑として合計約16万との生産がある。 中晩柑の総生産量は約58万tとなり，ウンシュウミカンのほぼ2分の1の生産量である。 しかし，上記の主要中晩柑は戦後，それぞれ生産のピークを経過し，減少基调にあり回復の可能性は認められない。 戦後の食生活の変化のためか，消費者の果物（ミカン）離れや旧来の品種に対する嗜好の変化を示していると思われる．このことば，現に‘清見’（西浦ら1983）（1万4千7百t）や，‘不知火（デコボン）’（1万8千2百t）などの，糖度が高く，良香があり，食味良好な高品質中晩柑新品種の生産と消費が急増していることからもみてとれる（農水省2000）。