受粉専用品種の導入による リンゴ生産の安定化

摘要

リンゴは異なる品種であつても、組み合わせによつては結実率の低い交配不親和性の性質を持つている。そこで、安定した結実を確保するために、多くのリンゴ園では、受粉親和性の高い品種を受粉樹として混植し、訪花昆虫の利用か、人工授粉を行っている。平成一五年に食品衛生法が改正され、平成一八年に残留農薬のポジティブリスト制が施行された際に、果樹栽培において問題となったのは、収穫時期が異なる品種を同一圃場内に複数品種植栽している場合、作業上早生種の収穫時期に中晩生種への農薬散布が重なり、農薬飛散(ドリフト)が心配された点である。