極早生、早生温州ミカンの高品質安定生産を目指した肥培管理技術

摘要

極早生温州は多くの品種.系統の出現で、早い時期から多種多様な果実の生産がなされるようになりました。さらに、高品質果実の安定生産のため、マルチ栽培の普及面積も増加しています。そのような中で、生産量の増大にともなう供給過剰による価格の低迷や、樹勢が弱化し収量が低い園がみられています。珠心胚実生の変異種や枝変わりによる新品種の開発で、樹勢が強い品種もありますが、，一般に極早生温州では樹勢を維持し安定生産するための施肥管理が重要です。早生温州は、「興津早生」「宮川早生」が主体をなしており、一一月から市場に出荷されています。高品質果実生産のためにマルチ栽培がなされており、水分ストレスによる根量の減少等により樹勢の低下や隔年結果性の増大など、やや生産が不安定となっています。さらに、近年は、運くまで樹上に果実を成らせておく樹上完熟栽培で品質が向上し、消費者の人気が高まっていますが、遅くまで樹上に成らせ過ぎることで、樹体養分の消耗が大きく、樹勢低下や翌年の着花が減少し隔年結果を引き起こしている園もみられています。