農政の窓国家戦略特区で企業の農地所有解禁へ。首相発言 が、与党に波紋。内閣府と農水省の確執深まる

摘要

農業ジャーナリスト 秋葉一郎政府は、国家戦略特区で、一般企業の農地所有を条件付きで認める方向に舵を切つた。今国会に提出する特区法改正案に、企業の農地所有を解禁する特例を盛り込む。「養父市のような意欲ある自治体や事業者の創意工夫が活かされるよう、この二年間の集大成として、医療、観光、農業などに関する大胆な改革事項を盛り込んだ改正特区法案を今国会に提出する」。一一月五日に開かれた：囯家戦略特区諮問会議で、安倍晋三首相がこう言い放った。突如、持ちtがった懸案に、与党農林幹部らに困惑が広がった。というのも、政府内で調整がまったくついていなかったからだ。農地問題は昨年の農協などの一連の改革でも遡上に上り、この四月から、農地を所有できる農業生産法人に対する企業の出資を一一分の一未満まで認めることで決着していた。しかも、この件に関しては、農水省は内閣府から事前に「二月五日の諮問会議で踏み込むことはない」と伝えられていた。ところが、ふたを開ければ、直相の口から例の発言が飛び出したのだつた。背後には、諮問会議の民間議員を務める竹中平蔵慶応大学教授の存在があった。竹中氏は諮問会議で「この農業生産法人の問題こそが岩盤中の岩盤、ザ,岩盤だ。このザ-岩盤の背後にはザ.抵抗勢力と、ザ.既得権益者がいて、これをどう突破できるかが本当にいろいろな意味での象徴になる」と発はをしていた。ちなみに、竹中氏は人材派遣大手のパソナダル—プの会長であり、ォリックスの社外取締役でもある。ォリックスは、子会社を特区の養父市で農業に進出させている。