果樹の新技術、新発見（77）日本ナシの花芽形成における植物ホルモンの働きと花芽形成促進

摘要

日本ナシは、早い場合で六月中旬頃から花芽を作り始める。 花弁や雄しべ、雌しべなどの花器の大部分は休眠に入るまでに形成され、翌年の春になって開花する。 　 日本ナシの花芽は混合花芽で、一つの花芽の中には花の原基と葉の原基の両方が含まれている。 鳥取大の伴野ら　 （当時）　 によると、日本ナシの芽は、芽の形成期にりん片が一二枚以上形成された後、引き続いて生長すれば花を持つ。 そうでなければ葉芽のままにとどまる。 その芽が花芽になれるかあるいは葉芽のままで終わるかは、それぞれの芽の発育状態にかかっている。