遺伝子診断法によるチヤノキイロアザミゥマc系統の判別

摘要

チヤノキイロアザミゥマは、おもに木本植物を寄主とし、わが国では果樹、チヤの重要害虫として古くから知られている。一方、東南アジアを中心とする海外ではトゥガラシ類の重要害虫としても知られてきたが、わが国ではそれらへの被害の報告はなかった。しかし、二〇〇八年、高知県においてピ—マンおよびシシトウでチヤノキイロアザミゥマと思われるァザミゥマによる被害が発生した。そこで、遺伝子解析を行った結果、形態的にはチヤノキイロアザミゥマであるが、果樹やチヤの重要害虫として知られてきた在来のものとは、遺伝的に明らかに異なる系統であることが明らかになつた。筆者らは、それら異系統をC系統、日本に以前から分布していたと考えられる在来の系統をyt系統とそれぞれ名付けて区別することにした。平成二七年四月現在、