上川管内一養豚場における豚増殖性腸炎対策と成果

摘要

育成豚に豚増殖性腸炎（PPE)の発生カミ認められた養豚場で、Nested PCRを用いて原因菌Lawsonia intracel-lularis (Li)の浸潤状況調査を実施し、その結果を元に対策を実施した。対策開始から1年後、対策の効果判定 のため浸潤状況調査を実施した結果、Li遺伝子陽性率が低下した。対策開始後は、農場での発症豚や、と畜検 査データでのPPE発生はなく、対策の効果が認められた。また、当該農場の母豚のLi遺伝子陽性率は43%で、 母豚が感染源の一つであると推察された。PPE清浄化には、投薬のみならず水平感染対策防止に重点を置いた 飼養衛生管理面の対策強化と清浄母豚群への順次置換が必要であると考えられた。一方、Li抗体検査の結果、 当該農場は高度汚染農場であつたが、一連の対策によりPPEの発生がコントロールされていると推察された。