CDDP，VDS，MMC併用化学療法·胸部放射線治療後に手術が行われた局所進展型非小細胞肺癌の術後肺毒性に関する検討

摘要

MMCを含む併用化学療法に同時，または継続の胸部放射線治療を行った後に手術が実施された肺非小細胞癌症例の術後肺毒性についてretrospectiveに検討した。 CDDP，VDS，MMC併用療法の1および2コースに同時，または2コ、－ス後に継続で胸部放射線治療56Gyを行った局所進展型非小細胞肺癌306例のうち後に手術が実施された7症例を対象とした。 年齢45～66歳（中央値50歳），扁平上皮癌2例，腺癌4例，大細胞癌1例，登録時病期ⅢA4例，ⅢB3例，同時群4例，継続群3例で，化学療法は5例に2コースが，2例に3コースが行われ，放射線化学療法の効果はPR6例，NCl例であった。 放射線化学療法中の呼吸器系の副作用はgradelが1例のみであった。 術後は1例に縫合不全が，1例に乳糜胸と膿胸が，1例に乳糜胸が認められたが治癒した。 6例において切除肺の病理学的検討が可能で，照射野内では全例に線推化を3例に胞隔炎を認めたが，照射野外では3例に軽微な胞隔炎を認めたのみであった。 以上よりMMCを含む併用化学療法·胸部放射線治療後の手術症例において重篤な肺毒性は認められないと考えられた。