IV.皮膚リンパ腫の診療ガイドライン:概要と改 訂のボイント

摘要

悪性リンパ腫はホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ 腫に大別される。後者は消化管や皮膚，脳などリンパ節 以外の臓器に生じることも多い。初診時に皮膚以外の臓 器に病変を認めない悪性リンパ腫を原発性皮膚リンパ腫 と呼ぶ。日本皮膚科学会および日本皮膚悪性腫瘍学会か らの要請の下に，2008年に皮膚リンパ腫の診療ガイドラ ィンが作成されたが，ェビデンスレベルや推奨度の決定 が各作成委員にゆだねられるなど，ガイドラインとして の正規の手続きを踏んだ完全なものではなかった。。先 行して作成されたメラノーマ，有棘細胞癌，基底細胞癌， 乳房外Paget病に関するガイドラインと歩調を合わせ， 2009年12月から皮膚リンパ腫ガイドラインの改言丁がス タートした。作成委員に血液内科医やevidence-based medicine (EBM)の専門家を招き，クリニカルクエスチヨ ン（CQ),採用文献，推奨度などを複数回に渡る委員会 を経て決定し，アブストラタトフオームを作成するなど， ガイドラインとして正規の手続きを踏んだ。また，リン パ腫以外の皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインと体裁を統一 したものを作成した。2012年1月現在，改訂ガイドライ ンは日本皮膚科学会誌に投稿中である。