岡山県における温暖化現象と果樹生育

摘要

国連の組織として温暖化問題に取り組んでいるIPCC (気候変動に関する政府間パネ ル）は，2007年の報告書で過去100年間に地 球の平均気温が約0.74°C上昇したことを明ら かにし，気象庁も日本の気温上昇は過去100 年間で1.04°Cとしています。このように気候 .の温暖ィ匕は顕在化しており，農業に及ぼす影 響が懸念されています。特に永年作物である 果樹栽培ではその影響が大きいとされ，国で は大規模な実態調査や対策研究を実施してい ます。岡山県では，平成20年に「農林水産業 温暖化研究チーム」を立ち上げ，農林水産業 に及ぼす温暖化の影響調査や安定生産に向け た研究等の取り組みを行っています。ここで は，岡山県における過去の気温推移や生育の 状況から判断される現時点での温暖化状況と モモ，ブドウの生育への影響ついて述べます。