日本ナシの新しい整枝法「樹体ジョイント仕立て」

摘要

ナシ生産では，年間労働時間の約3分の1を占める「整枝、せん定」作業に高度な熟練技術が必要とされ，作業時間の短縮や雇用労力の活用が難しく，経営安定のための規模拡大へも踏み込めない現状にあります。 また，主要品種「幸水」，イ豊水」の栽培は，主に昭和40年代から始まり，樹齢が30年を越える高齢樹の割合が高く，収量低下，樹勢低下が各産地とも大きな問題となっています。 神奈川県で考案した「樹体ジョイント仕立て」（特許申請中）は直線状の樹形と極めて単純な校紀置により，これまで困難であった「整枝、せん定」作業の簡易化と作業時間の短縮が可能となります。 また，「樹と樹をつなげる」ことを特徴とするこの仕立て法は，短期間で骨格枝（主枝）の育成と樹冠拡大が完了し，従来の成囲化までの年月を大幅に短縮することが期待されています。