果樹の草生栽培を考える-草生我培の長所，短所-

摘要

草生栽培には良い面もあれば悪い面もある。 安易に取り租むと失敗する場合もある。前果樹研究室長の依田さんの話では岡山県でも過去に草生栽培に取り組んだが，養分競合などの面で普及しなかったとのことである。 今，再び草生栽培に関心が集まっていることに対し，「時代は繰り適すんじゃのう」と何度もおっしゃられていた。 確かに，現地草生モモ園や農試での草生試験モモ樹を見ていると，草との養分競合は想像以上に大きいことを痛感させられる。 しかし，草生園を歩くと土がふかふかし，土は掘りヤすく，土壌物理性の改善効果はすばらしい。近年，スピードスプレヤーなどの重量機械が入る圃場では，土壌が固化し物理性の悪化が深刻な問題となっている。 土が固まると根が伸びなくなるし，空気も入りにくくなる。根の活力がなくなると，樹勢が低下したり，果実に障害が発生したりする。 こういった圃場では草生栽培の効果は大きいと思う。以下に掲げる草生栽培の長所と短所（注意点）を参考に，草生栽培の目的をはっきりさせて，草と上手に共生していただきたい。