人工赤血球の臨床応用

摘要

人工赤血球は赤血球の代わりに酸素を運搬する輸液剤で，酸素運搬輸液とも呼ばれる。 種々の人工赤血球が開発中だが，単に酸素を運搬するのみならず，様々な臨床応用が期待される。本稿ではその特性，適応，治験成績，問題点について述べる。 現在開発中の人工赤血球はperfluorochemical（PFC）あるいはヘモグロビンを素材としている。 PFCは乳化し微粒子として血管内投与するが平均粒子径は0。 17から0。 2 mu m，カプセル化ヘモグロビンの粒子径も0.2 mu m前後である。