乳用牛の遺伝的推力評価と育種改良

摘要

平成4年に家畜改良センターでBLUP法アニマルモデルによる乳用牛の遺伝的能力評価を開始して、99年春の評価で14回目の評価となった。ここでは現在年2回行っている乳用牛遺伝的能力評価の概要とその成績から見る改良の現状について説明する。 現在、乳用牛の遺伝的能力評価は、BLUP法アニマルモデルという手法を用いて行っている。 アニマルモデルというのは、個体ごとの遺伝的能力を能力成績と血統情報を用いて雄雌同時に評価するものである。この方法では、母牛の能力も推定されるので、交配雌牛の能力に偏りがあっても種雄牛評価値は影響を受けない。 また、雌雄全個体間の血縁関係が考慮されるために、血縁関係にある全雌牛の記録を評価に用いることができる。このとき、計算量は膨大になるので、高度な計算テクニックを用いたソフトウェアと高性能なコンピュータが必要となる。