最近育成された牧草類の有望品種、系統

摘要

我が国の公的機関（（独）農研機構および 道県に設置された指定試験地）において育成 された牧草、飼料作物の新品種については、2009年5月号において最新情報を紹介したが、 前回はとうもろこし.ソルガムなどの一年生夏 作物と温暖地、暖地向けの牧草類に限定した ものであった。今回は、同じ最新の育成品種 の中から主として寒冷地、寒地に適した永年生 の牧草類に焦点を当てることとし、チモシ一、 メドウフェスク、ァカクローバ、フェストロリウ ム（属間雑種)、ペレ二アルライグラスの各品種 を紹介する。我が国の粗飼料自給率の向上が 叫ばれる中、いずれの最新品種も優秀な特長 を持ち、栽培適地での普及が強く期待される。 また加えて、そのまま市販される新品種ではな いものの、新規性のある系統の中から、硝酸 態窒素含有量の低いイタリアンライグラスの最 新系統と、花粉を飛ばさないペレ二アルラィグ ラスの系統（無花粉ィ匕品種）についても、その 話題を織り交ぜて紹介することとしたい。なお、最新品種の種子については、現在市 販に向けて増殖中である。今後、種苗会社を 通じて販売される予定であるが、その時期につ いては品種ごとに執筆者から最新情報を提供 したので、詳細については直接お問い合わせ いただきたい。また、社団法人日本草地畜産 種子協会においても、新品種種子の流通情報 を入手することが可能である。