糞便軟度検査を活用した乳用種受胚牛の受胎率向上

摘要

牛の胚移植頭数は年々増加傾向にあるものの、平成17年度農林水産省の調査では凍結胚移植の受胎率がここ10年間45％前後で推移しており、このことが胚移植技術の普及を阻害している一因となっている。　これまで、筆者ら1）は給与飼料中の分解性摂取タンパク（CPd，RDP）含量および非分解性摂取タンパク（CPu，RUP）含量と非繊維性炭水化物（NFC）含量の比率が移植成績に影響し、平均乳量30kg／日の受胚牛における給与飼料をCPd含量10％以下、CPu含量6％以下、NFC含量33％以上となるよう給与飼料を改善すると受胎率が向上することを報告してきたが、農家にとっては給与飼科が適正に給与されているかの判断が困難な場合が多い。