分子遺伝学情報を活用した育種改良の時代へ一世界家畜育種学会にみる世界的な家畜育種の動向一

摘要

2010年8月1日から6日までドイツで第9 回世界家畜育種学会が開催された。この学会は1974年スペイン.マドリードで 第1回の学会が開催されて以来、これまで4 年ごとに、スペイン、米国、英国、カナダ、ォー ストラリア、フランス、ブラジルで開催され ている。今回は、21年前に歴史的な統一が行 われた旧東ドィッのライプツイヒで開催され た。フランスで開催された2002年第7回大会 以降、動物遺伝育種学の研究は大分様変わり をしてきていることを、昨年スペイン.バル セロナで開催されたョ 一口ッパ畜産学会に参 加して感じていた。1990年代以降、乳量、肉量、脂肪交雑など の量的形質を支配している遺伝子座の特定を 目指すQTL (Quantitative trait locus量的形 質遺伝子座(群））解析の研究が進められ、 一時はゲノム研究が従来の統計遺伝学に代わ り育種学に革命を引き起こすとまで期待され た。