大学および畜産業における酪農科学振興プランに妙案は？

摘要

2006年の畜産学教育協議会で、酪農科学研究室の教育研究現状について講演させていただいた。資料を集め始めてだんだんと不安になってきた。それは、乳、乳製品の専門教育研究、そしてバター、チーズ製造実習などを実際に行っている大学数が、全国で激減していたからである。大学や学部の名称改革も進んでいる。2003年には日本獣医「畜産」大学は日本獣医生命科学大学と校名変更があり、2007年には北里大学獣医「畜産」学部が獣医学部に名称変更された。いずれも学問的な改組であろうが、「畜産」という文字に伴う学生数の減少を危倶しての対応も含まれ、国立大学法人からは異論を唱えづらい。最後の砦は帯広「畜産」大学の存在となり、酪農科学の教育研究は大きな転換期を迎えており、国や民間からの早急な活性化支援が望まれる。