繁殖雌豚群の生産性改善とその技術（4）－若雌豚の飼養管理と適正な初産日齢－

摘要

近年養豚経営が大規模化するにつれて，繁殖雌豚の環境問題は，とくに飼料経済の面からその重要性が増してきた。 繁殖雌豚の飼養は常にその環境条件に合わせて飼料を給与することと，繁殖雌豚を低臨界温度（LCT）以下の環境では飼養しないようにすることが重要である。 Closeは繁殖雌豚のLCTは約18℃であると説いており，もし繁殖雌豚がこのLCTよりも低い環境温度で飼養されると，給与飼料の栄養素は妊娠雌豚の体温維持のために大きく浪費され，妊娠若雌豚の体格形成と胎児の発育および健全な乳腺発達のために利用される栄養量が減少することになると説いている。