日本飼養標準肉用牛2008年版改訂の要点

摘要

2000年版改訂以降，国の内外で数多くの新しい研究成果が発表されており，また，畜産物市場のグローバリゼーションや近年の穀物価格の高騰などを反映して，新しい肉牛の飼養方式が模索され続けている。さらに，飼料自給率の改善はわが国畜産業の緊要の課題として，官民をあげて取り組まれている。このような肉用牛飼養を取り巻く情勢の変化に対応するためにも，各分野より飼養標準の改訂が強く要請されていた。　今回改訂に当たって，肉用種，乳用種および交雑種におけるエネルギー要求量算定式の適合性について最近の公立場所における飼養試験成績を用いて検討を行った。黒毛和種去勢牛については，提供された200頭以上の肥育試験成績を用いて検討した。その結果，乾物摂取量については