畑地における窒素の挙動とその制御（2）－畑地土壌の硝化特性－

摘要

畑地農業地帯においては，施肥や家畜糞尿の投入によって土壌中に与えられた窒素成分が人体に有害な硝酸態窒素に変化し，これが下方に溶脱されて地下水に浸入するため，地下水が硝酸態窒素によって汚染されやすいといわれている。 わが国においては，静岡県の茶畑，沖縄県のサトウキビ畑，岐阜県のニンジン畑（田淵，1999），鹿児島県の茶畑（南日本新聞，1996）などで顕在化している。 また，1999年7月に鳥取県東伯郡の地下水水質を調査したところ，水田付近の地下水の硝酸態窒素濃度が約2ppmであったのに対し，畑付近の地下水は7～18ppmという高い値を示しており，今後，地下水利用において汚染が顕在化する地域が増加するものと考えられる。